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Little Joe と Chicano Movement [テックスメックス]

ご無沙汰しております。


 今回は60年代後半から70年代にかけてのLittle Joeの動向を軽く展望し、その後チカーノ運動に触れてみようと思います。

 60年代、Orquestaの新しい世代として評価の高まっていったLittle Joeですが、同時に願いかなわなかったメインストリームへの憧憬も持ち続けていたようです。そして60年代後半、米国はRock Music ,Soul Musicの台頭、さらにはBlack PowerやStudent Power、Chicano Powerなど、ラジカルな市民運動の隆盛も顕著になり、それらのいくつかは、さまざまなかたちで彼に影響していきました。

 以下、彼の動向をフォローしてみると。

 1967年に古い友人、Tony "Ham"Guerreroを迎えバンドのパワーアップを図った。それは、もちろん全米ヒットを狙うための補強であり、そうしてできたアルバムが、"Arriba"だった(筆者未聴)。
 Little Joeは1968年、自身のレーベルを立ち上げ、スペイン語の録音はBuena Suerte、英語の録音はGood Luckとし、さらに後年3番目のレーベル、Leona Recordを加えた。バンドとしては、Latinairesを解消し、新たにLa Familiaを結成。

 このLatinairesからLa Familiaへの変化について、彼は以下のように語っている。
 「…60年代後半、ベイエリア、サンフランシスコ周辺で演奏しているころ、次第に"Latinismo"が気になり始めた。それは、まさに60年代後半から70年代初めの間で、"Santana"が登場し、彼らに続き、多くのグループがベイエリア周辺から登場していった。その頃、"Latinismo"、"cultura"を意識し始めた。スペイン語で話す事がかっこいい(Hip),と思うようになり、それから何かが起こり始めたんだ。そして変化することが必要だ、と気づいたんだ、Latinairesから、もっと家族的な、ルーツ的なものに近づくような変化が」(MusicaTejana,165-166.)

 この発言からは(回想ということを差し引いても)、当時の社会精神ともいえるルーツ回帰志向も伝わってくるが、同時に、(サンタナのような)ベイエリアのメキシコ系ミュージシャンのメインストリームへの登場に対するジレンマも感じられる。

 こうして、彼らの70年代の活動が始まるわけですが、具体的な動向は次回以降で触れるとして、ここで、1960年代、米国西海岸を中心に展開された、チカーノ運動(Chicano movement)について触れてみようと思います。 

 この運動は、Little Joeが活躍した時代に多大な影響を与えており、(ずいぶん間があいてしまいましたが)前回からの続きとしてお読み頂ければ幸いです。
 
 1960年代のLittle Joeの動向を展望していて無視できないのが、チカーノ(Chicano)ということば。

 とりあえずウイキペディアで調べてみると。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%8E

 語源について、明確な説は決定できない模様ですが、いろいろあるようです。

「チワワのメヒカーノ」(米国在住の、現チワワ州出身のメキシコ人商人のこと)から「チカーノ」になった、という説は、音の響きだけからだと説得力がありますね。

 ルーベン・サラサールによれば「チカーノとは、自分自身にアングロサクソンのイメージを持たないメキシコ系アメリカ人」(1970年の定義)となり、またマルコス・サンチェス・トラキリノは「昨今、チカーノという語の意味が拡散していく現状を踏まえて、彼は新たに「USメキシカン」という言葉を使うことを提唱してる。この言葉は、「メキシコ系」で「アメリカ在住」である人になら誰にでも含まれる、チカーノの最も広い意味と合致する言葉である。」(以上はウイキペディアからの引用)

 ついでにチカーノ運動で検索かけるとチカーノ・ナショナリズムという項目に遭遇。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0

という訳で、次回からは、チカーノ運動へ。

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コメント 2

吾妻虎太郎

deacon_blueさん
ご無沙汰しています。ナイス、ありがとうございます。
by 吾妻虎太郎 (2008-05-03 18:16) 

吾妻虎太郎

ベアトラックさん
ご無沙汰しています。ナイス、ありがとうございます。
by 吾妻虎太郎 (2008-05-04 10:36) 

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