第5節のまとめ [テックスメックス]
第5節は、1960年代に登場したOrquestaにかかわるアーティストを中心に取り上げました。
1960年代に流行したR&Bやソウル、ロックンロールの影響を受けたテキサスのメキシコ系ポピュラー音楽と捉えることができます。
2007年12月から始めて、2008年11月に最後のアルバムを取り上げたので、ちょうど1年かけて本節を進めてきたことになります。
取り上げたアルバムは9枚、ブログの数はお詫びのことばも含めて18。
本節でOrquestaをテーマに選んだのは、わたしの意志というよりは、複数の知り合いのかたがたから、このテーマを取り上げてくれ、というリクエストがあったからです。
なかでも、独自の思想ををもって農業を営んでいる、そしてOrquestaに対して深い愛情をもっているサユールイトシロさんより、熱心なリクエストを賜りました。
Orquestaのアルバムを収集している熱心なコレクターの方々からみれば物足りないラインアップかもしれませんが、自分なりにOrquestaというものを整理したい、という思いもあり、1960年代Orquestaを取り上げてみることにしました。そして、ぶっちゃけていえば、CDをポツポツ買いあさっているうちに、なんとなくこれで進行できるかな、と思って見切り発車したのが、この第5節というわけです。
最初に考えたのは、たまたま手元にあるCDの多くが、おもに1960年代から活動を始めたRuben & Alfonso Ramos兄弟、Johnny Hernandez、Sunny Ozunaのもので、しかも1980年代後半から1990年代はじめにかけてレコーディングしたアルバムという点で共通していたので、それをひとつのテーマにしてみようということでした。つまりベテランアーティストが、デジタル録音の時代に、どのように対応したか、ということです。
これは、いま考えると、フルオーケストラのスタイルをとっていた多くのラテン音楽が、ホーンセクションを排して、シンセサイザー等に置き換えていった時期に対応しているように思えます。このテーマについては、本節第60回目に取り上げた、Latin Breedのアルバムもそのテーマから捉えることができます。
以上のラインナップで避けて通れないアーティストがLittle Joeなのですが、ほとんどCDはもっていませんでした(アナログ盤はもっています)。たまたまオンラインショップで1970年代、Freddie時代のベスト盤を見つけたので、誠に申し訳ありませんが、これでお茶を濁そうとしたところ、深みにはまってしまいました。
その内容については、本節で6回にわたって記しましたが、彼の音楽については、このベスト盤CDを聞き込む事により、分析を試みました。
Little Joeを調べていくうちに、カリフォルニアのメキシコ系音楽にも触れたほうがよいかな、と思い、重要アーティストのCD紹介を検討しましたが、結局この案はテーマからはずれ過ぎるので、却下することにしました。
今回取り上げたCDのなかで、Sunny Ozuna のCD、"Sunny's Gold"は、思い出深いアルバムとなってしまいました。
実は、このCDは1980年代後半か1990年くらいにかけて入手したものですが、このCDを絶賛していたのが、今年の11月に亡くなられた、音楽評論家・ミュージシャンの、山崎直也さんでした。このCDが出た当時、東京江古田の喫茶店で、このアルバムを熱っぽく語っていた彼が甦ってきます。
この節を1年かけて進めっていった過程で、感慨深いできごとが少なからずありました。
2007年12月20日、偉大なシンガー、Lydia Mendozaが高齢で亡くなりました。Little Joeも彼女の曲をレパートリーにしているし、その影響力は多大なもの、といわざるをえません。
そして、2008年の2月には、東京、江古田のレコード店(むかしは喫茶店だった)、クランが閉店しました。この店で、多くのテックスメックスファンと知り合い、その中に、山崎直也さんもいらっしゃったのはいうまでもありません。そして、そのうちの何人かとの付き合いは、近づいたり離れたりしながら、今日まで続いています。
Latin Breed、Augustine Ramirezの選択は苦肉の策ですが、いま思うと聞いてよかったと思っています。
多くのOrquestaが、Temple, Dallas, Corpus christy, MacCalenなど、San Antonioを軸としてみると、その周辺地域に位置し、そこから多くのアーティストが輩出している、という状況が厳然としてあるのですが、そうしたなかで、Latin Breedは、Sunny Ozunaとともに、San Antonio出身ということで興味深いものがありました。
Augustine Lamirezは、オリジナリティーに溢れる孤高の音楽家というイメージで、Isidro Lopezと共通したテイストを感じます。
最後に結論めいたことをいえば、Orquesta, La Onda Chicana, Musica Tejanaは、テキサスのメキシコ系住民にとってのポピュラー音楽であり、それは民衆の心を歴史的に反映している音楽である、ということでしょうか?
漠然としていますが、何枚もCDを聞いていると、なんとなくわかってきます。
今回、第5節を運営していて、反省点は多々あります。現時点のレベルで出来る限りのことはしたつもりですが、La Onda Chicana を明確にしていない、とか、60年代、といいながら、80年代90年代の録音まで取り上げてしまい、焦点が定まっていない、など、多くの宿題をたくさん抱えてしまいました。これらは後日の課題として、粘り強くフォローしていこうと思います。
次回、第6節は、すこし軽い感じで、最近入手したCDの紹介、そしてそのあと、第7節でアコーディオンをクローズアップしていきたいと思っています。
最後に、根気づよくわたくしのブログにおつきあいくださった読者の皆様に、心からのお詫びと御礼を申し上げたいと思います。
1960年代に流行したR&Bやソウル、ロックンロールの影響を受けたテキサスのメキシコ系ポピュラー音楽と捉えることができます。
2007年12月から始めて、2008年11月に最後のアルバムを取り上げたので、ちょうど1年かけて本節を進めてきたことになります。
取り上げたアルバムは9枚、ブログの数はお詫びのことばも含めて18。
本節でOrquestaをテーマに選んだのは、わたしの意志というよりは、複数の知り合いのかたがたから、このテーマを取り上げてくれ、というリクエストがあったからです。
なかでも、独自の思想ををもって農業を営んでいる、そしてOrquestaに対して深い愛情をもっているサユールイトシロさんより、熱心なリクエストを賜りました。
Orquestaのアルバムを収集している熱心なコレクターの方々からみれば物足りないラインアップかもしれませんが、自分なりにOrquestaというものを整理したい、という思いもあり、1960年代Orquestaを取り上げてみることにしました。そして、ぶっちゃけていえば、CDをポツポツ買いあさっているうちに、なんとなくこれで進行できるかな、と思って見切り発車したのが、この第5節というわけです。
最初に考えたのは、たまたま手元にあるCDの多くが、おもに1960年代から活動を始めたRuben & Alfonso Ramos兄弟、Johnny Hernandez、Sunny Ozunaのもので、しかも1980年代後半から1990年代はじめにかけてレコーディングしたアルバムという点で共通していたので、それをひとつのテーマにしてみようということでした。つまりベテランアーティストが、デジタル録音の時代に、どのように対応したか、ということです。
これは、いま考えると、フルオーケストラのスタイルをとっていた多くのラテン音楽が、ホーンセクションを排して、シンセサイザー等に置き換えていった時期に対応しているように思えます。このテーマについては、本節第60回目に取り上げた、Latin Breedのアルバムもそのテーマから捉えることができます。
以上のラインナップで避けて通れないアーティストがLittle Joeなのですが、ほとんどCDはもっていませんでした(アナログ盤はもっています)。たまたまオンラインショップで1970年代、Freddie時代のベスト盤を見つけたので、誠に申し訳ありませんが、これでお茶を濁そうとしたところ、深みにはまってしまいました。
その内容については、本節で6回にわたって記しましたが、彼の音楽については、このベスト盤CDを聞き込む事により、分析を試みました。
Little Joeを調べていくうちに、カリフォルニアのメキシコ系音楽にも触れたほうがよいかな、と思い、重要アーティストのCD紹介を検討しましたが、結局この案はテーマからはずれ過ぎるので、却下することにしました。
今回取り上げたCDのなかで、Sunny Ozuna のCD、"Sunny's Gold"は、思い出深いアルバムとなってしまいました。
実は、このCDは1980年代後半か1990年くらいにかけて入手したものですが、このCDを絶賛していたのが、今年の11月に亡くなられた、音楽評論家・ミュージシャンの、山崎直也さんでした。このCDが出た当時、東京江古田の喫茶店で、このアルバムを熱っぽく語っていた彼が甦ってきます。
この節を1年かけて進めっていった過程で、感慨深いできごとが少なからずありました。
2007年12月20日、偉大なシンガー、Lydia Mendozaが高齢で亡くなりました。Little Joeも彼女の曲をレパートリーにしているし、その影響力は多大なもの、といわざるをえません。
そして、2008年の2月には、東京、江古田のレコード店(むかしは喫茶店だった)、クランが閉店しました。この店で、多くのテックスメックスファンと知り合い、その中に、山崎直也さんもいらっしゃったのはいうまでもありません。そして、そのうちの何人かとの付き合いは、近づいたり離れたりしながら、今日まで続いています。
Latin Breed、Augustine Ramirezの選択は苦肉の策ですが、いま思うと聞いてよかったと思っています。
多くのOrquestaが、Temple, Dallas, Corpus christy, MacCalenなど、San Antonioを軸としてみると、その周辺地域に位置し、そこから多くのアーティストが輩出している、という状況が厳然としてあるのですが、そうしたなかで、Latin Breedは、Sunny Ozunaとともに、San Antonio出身ということで興味深いものがありました。
Augustine Lamirezは、オリジナリティーに溢れる孤高の音楽家というイメージで、Isidro Lopezと共通したテイストを感じます。
最後に結論めいたことをいえば、Orquesta, La Onda Chicana, Musica Tejanaは、テキサスのメキシコ系住民にとってのポピュラー音楽であり、それは民衆の心を歴史的に反映している音楽である、ということでしょうか?
漠然としていますが、何枚もCDを聞いていると、なんとなくわかってきます。
今回、第5節を運営していて、反省点は多々あります。現時点のレベルで出来る限りのことはしたつもりですが、La Onda Chicana を明確にしていない、とか、60年代、といいながら、80年代90年代の録音まで取り上げてしまい、焦点が定まっていない、など、多くの宿題をたくさん抱えてしまいました。これらは後日の課題として、粘り強くフォローしていこうと思います。
次回、第6節は、すこし軽い感じで、最近入手したCDの紹介、そしてそのあと、第7節でアコーディオンをクローズアップしていきたいと思っています。
最後に、根気づよくわたくしのブログにおつきあいくださった読者の皆様に、心からのお詫びと御礼を申し上げたいと思います。
ベアトラックさん、ナイスありがとうございます。いつもお気に留めていただき、感謝申し上げます。
by 吾妻虎太郎 (2008-12-03 13:49)
deacon_blueさん、ナイスありがとうございます。今後ともいろいろなCDを取り上げていきますので、お楽しみいただければ嬉しいです。
by 吾妻虎太郎 (2008-12-06 10:46)